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20110320

原子力発電所の問題

【カテゴリ:日常】

東北関東大震災に伴う福島原子力発電所の問題で、世の中が目まぐるしいことになっている。
未だ全容のつかめない津波被害の中で、それを押しのけ、放射線の文字がニュースに踊る。
原発は自分たちの生活にとって何だったのだろう。
原発。
このことを考えていると、自分はどうしても忌野清志郎(以下、キヨシロー)の事を考えてしまう。
彼は生前、原子力発電所をテーマにした歌詞をいくつか書いていた。RCサクセション時代に「COVERS」というアルバムを製作したが、これが発売元の東芝EMIにストップをかけられ、発売中止になった。理由は、東芝EMIの親会社である東芝が、原発に関わる電機メーカーだったからである。
発売中止になった元である、原発をテーマにした楽曲「サマータイム・ブルース」(オリジナルはエディ・コクラン)の歌詞をここに載せたい。


「サマータイム・ブルース」
暑い夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる
東海地震もそこまで来てる
だけどもまだまだ増えていく
原子力発電所が建っていく
さっぱりわかんねえ、誰のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い(悪かったな、何だよ)
それでもテレビは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
これが最後のサマータイム・ブルース

(原発という言い方も改めましょう。
何でも縮めるのは日本人の悪い癖です
正確に原子力発電所と呼ぼうではありませんか。
心配は要りません)

あくせく稼いで税金取られ
たまのバカンス田舎へ行けば
37個も建っている
原子力発電所がまだ増える
知らねえ内に漏れていた
あきれたもんだなサマータイム・ブルース

電力は余ってる、
要らねえ、もう要らねえ
電力は余ってる、
要らねえ、欲しくない
原子力は要らねえ、
危ねえ、欲しくない
要らねえ、要らねえ、欲しくない
要らねえ、要らねえ、
電力は余っているよ
要らねえ、危ねえ


これは1988年に発表された曲だ。後にキヨシローは、インタビューで「問題提起したいとかそういう意図で無く、ただ歌いたいことを歌っただけ」という意味合いのことを述べているが、自分はキヨシローについて改めて深く考えさせられる。
原発が日本にやってきた時、おそらく「原発=危険」と考えた大人はゴマンといたはずだ。それでも皆が口をつぐんでしまったのは、それが国の政策だったからだし、反対したところで「安全だから」を理由に金を掴まされ、従うしかなかったからだろう。
だが、キヨシローは歌った。皆が黙すその中で、これを歌い、そしてアルバムは発売中止になったのだ。その時、世の中の大人はどれだけこの歌を真摯に受け止められていたのだろう。いつの時代でも、真実を言う人間は、建前という嘘をつく大人から邪魔者扱いにされる。原発だけではない。多くの大人が蓋をしようとした真実を彼はいくつも楽曲にした。これらを歌ったキヨシローだからこそ、今でも多くのファンに支え続けられているのだし、リスペクトされているのだろう。

しかし、さて、今回の福島原子力発電所の問題で、今後どういったことになるのだろう。
実は自分が住む宮崎県でも、串間市で4月1日に原発建設の住民投票が行われることになっていた。賛成派と反対派でそれぞれに集会を開き、事態は拮抗していたようだが、今回のことでまず反対派の勝利になると思われる。
2011年現在、日本の電力は原子力発電に頼らなければ全くやっていけない状況だ。今現在、計画停電を行っている首都圏がそれを証明している。
「福島原発は旧型だったため被害が大きく、新型ならば大丈夫だった」という意見もあるようだが、自分が住む町に原発が建つとなれば、古かろうが新しかろうが、住民が猛反発するのは目に見えている。
このまま、原発がダメになってしまえば、日本の経済はどんどん置いてきぼりを食ってしまう。電力は国のエネルギーそのものだ。現段階で原発に代わる発電方法はなく、では、日本は電力供給を今後どう考えていけばいいのだろう。
ロシアから電気供給の申し入れがあったようだ。ケーブルをひいて、電気を輸出するつもりらしい。日本とロシアの地理上、これは一見都合がいいように思えるが、まずアメリカが認めないだろう。アメリカにとって、対中国、ロシアといったアジアの最前線基地である日本の電気を敵国であるロシアに供給させるはずがない。もし仮にロシアから電気を輸入するようなことになれば、外交はロシアに牛耳られ、日本にとっても北方領土問題どころではなくなる。
また少し話がずれるが、北朝鮮も怖い。北朝鮮がテポドンを作った目的は、日本の原発をピンポイントに狙うためだと言われている。そのシナリオを表すかのように、福島第一、第二原子力発電所の二か所だけで、これほど日本がパニックに陥り、機能しなくなることを見せてしまった。そのためにこれは軍事問題へと発展しかねない一件でもある。原発がいくつか動かなくとも、都市機能を失わないようにしなければいけないという課題が残る。あまりにも東京は弱すぎた。
原子力発電所が海に面して建っているのは、いざ問題が発生した時に、冷却用の海水を必要とするためで、内陸部には建設しにくい。しかし、そこには常に津波の恐怖がつきまとっている。福島のあの土地に今後人は住めるのだろうか。これからもあそこに住み続けたいという人が何人いるのだろう。
まるで四面楚歌といえる日本の原発事情。あらゆる面で大きな転換期を迎えている。
いっそのこと、経済など捨ててしまえばいいのかもしれないが、それも無理だろう。もう一度、薪で風呂を沸かす時代を僕らは覚悟できるだろうか?それ以前に、その薪を取るための森林を我々は伐採し、沸かすべき井戸水を汚染させ、ゴルフ場にし、アスファルトを敷き、大型ショッピングセンターを建ててしまったのだ。もう後戻りはできない。
日本はどこから間違えていたのか。それを一人一人が真剣に考える時間が来ている。
原発に頼らず(頼れず)、安全で発展のある社会づくり、国際協調を意識した日本を作る。
そんなことが出来るのかと思うが、考えなければいけない。
例えば、全ての家の屋根に、国が無償でソーラーパネルを設置する。海水から発電するための装置を作る。風力発電の増設。そういった自然エネルギーからの転換に重点を置く。そして、まずもって、自分自身が無駄な電気を使わないということが大事だろう。
もう二度とこんな過ちを起こしてはならない。

海岸沿いの道


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