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世の中には、不眠で暮している人がいるらしい。
不眠。
つまり、眠らない。
眠らずに生きている人間がいるという。本当だろうか?
無論、実際に見たわけでなく、聞いた話である。
ショートスリーパーというのは実際にある。
よく聞く話だが、明石家さんまさんは睡眠時間が極端に少ないという。
逆に人より多く寝なければいけないロングスリーパーの人もいるという。
睡眠時間の多少は個人的な差異があるだろうけど、それにしても不眠というのは極端な話だ。
また、不食の人もいるという。
不食。
つまり、食べない。
食べないっちゅうのもまた極端な話だが、日本でも実際にこの不食関係の本を出してる人はいる。1日青汁1杯とか。
断食というのはあるが、不食というのはどうなのだろう。何か神秘的ですらある。
眠らないとか、食べないというのは、宗教者たちが苦行の果てに追い求めてきたことではあるけれど、それが生まれながらにできる、というかそうせざるを得ない人たちがいるというのは、どこか滑稽なおかしみも含んでいる。
人間の体は不思議だ。
致死率100%のエイズが自然治癒してしまったという男性もいるし、5歳で子供を出産したという女性もいる。
人間の体は、人間には計り知れない何かがある。
不老不死は可能か?ということが、多くの人間にとっての難題であり、憚らずいえば人類にとって一つの最終目標であった。
不老不死は可能なのだろうか?
医学的に早老症という病気があることは知られており、これは読んで字の如く、「早く老けていく」病気だ。
早く老けていく病気があるのなら、反対の「遅く老けていく」病気もあるかもしれない。
が、これはあくまで病気なので、いわゆるアンチエイジングとは違う。
しかし、上にも挙げたように世の中には極端な例があり、ショートスリーパーではなく、全く寝ない人がいるというのだから、まったく老けないという人がいてもおかしくはない。
とすれば、ここからは冗談のような話をするけれど、まったく老けないということは、まったく成長しないということでもあるので、そういう人間がいたとしたら、ずっと赤ん坊のままだということになる。
お釈迦様は赤ん坊の時に、指を天に立て、「天上天下唯我独尊」と仰ったというが、なるほど、お釈迦さまはもしかしたら遅老症のようなものであったかもしれない。
人間の求める不老不死はぜいたくだ。子供のころは早く大人になりたいと思い、いざ大人になったら、もう年はとりたくないと思う。
つまり、我々が求める不老不死とは「永遠の十七歳(あるいは二十歳)」なのである。
これはもはや、先天的な要因によるものではなく、後天的、具体的に言えば「手術」や「健康法」などに頼るしかないだろう。
その一つとして、「薬」による不老の研究というのも昔からされてきた。
よく言うのが、中国の歴代皇帝が愛用したとされる水銀。
水銀が何故、不老不死の薬として重宝されたかというと、水銀の特徴である防腐性や不朽性が不老不死に結びついたというが、実際には水銀は有毒であり、水銀中毒により命を落とした皇帝は多かった。
この水銀を薬にすることを錬丹術というが、西洋の錬金術もこれと似たようなものであり、いわゆる賢者の石とは不老不死の薬を指している。
不老不死薬は多くの権力者の願望として、また医学の発展として研究が進められてきた。
その結果、どうなったか?
なんと、2009年に寿命を延ばす薬が見つかっている。
抗老化薬というのだろうか。薬の名称をラパマイシンという。マウス実験において、寿命の伸長を確認したという話だから、人間への適応は定かではないが、薬学の発展もそこまで来ている。
ううむ、ますます人間の体とは不可思議なものだ。
というか、我々は知らな過ぎるのである。THEシラナスギルズ。
そもそも老化のメカニズムでさえ、いまだ解明されていないし、それ以前に「生物がどうして生きているのか?」ということも、なんら解明されていない。
不思議ではないか。
心臓を動かす力はどこから来ているのだ?
人参一本、トマト一個、大豆一粒、そんなものがどうして、どのように変換され、心臓を動かしているのだ?
エネルギーの正体はなんなのだ?
世の中、知らないことだらけだ。知らないうちに生き、知らないうちに死んでいく。
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く
死に死に死に死んで死の終わりに冥(くら)し
そう仰ったのは弘法大師空海だが、まったくその通りだ。太陽が生み出す仮初めの明るさの中を、自分は無闇にさまよっているに過ぎない。
あれやこれやと色々なものに手を出し、知ったつもりになったことは、己の死と一緒に脆くも泡のように儚く消えてゆく。
宇宙にしたって、今の研究段階では、どうも宇宙はたくさんあるらしいという説が有力だというではないか。
現在我々が住んでいるのが太陽系。その太陽系を包括しているのが銀河系であり、銀河系を包括している宇宙がある。そして宇宙は膨張し続けている、というのがこれまでの宇宙論だけれども、その宇宙が一つではなく、実は幾つもあるという話。
そして、我々が住む宇宙とは別の宇宙では、九次元の世界が広がっているという、もはやさっぱり意味不明なことになっており、まったくもって冥い。
っていうか、この銀河系って渦を巻いていて、中心はブラックホールであり、太陽系はそのブラックホールに吸い込まれながら回転している胡麻粒みたいな存在だってこと、知ってましたか?
もう、なんか、ありえな~いって叫んで、寝たい気分です。あたし。
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