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20120930

源学番外編 バター犬談義

【カテゴリ:日常】

職場のパートさんがよく「バター犬」という単語を口にする。いわく「うちのバター犬が云々」。
初めて聞いた時は、「え?」と驚いたのだが、これは冗談で、ただ単に「うちの犬が…」というところを「うちのバター犬が…」と言っているだけのサービス精神らしい。
南へ行くほど人々がこういう会話におおらかな気がする。自分の地元では「うちのバター犬が…」という冗談を言う女性を見たことはないが、どうも気候が暖かい土地へ行くほど、人はエロや生死といった問題に対して、おおらかになっていくようだ。
例えば、沖縄の人が墓場で宴会をするなど、関東では考えられない。風習を超えたところで、すごく人がシンプルな生き方をしている。つまり、南に下るほど、赤道に近付くほど、エロと死が人々の生活やその人柄に密着している。そして、人と人の間に屈託がない。その密着感がぼくは好きだ。

バター犬、というのは、女性がオナニーをする時に陰部にバターを塗ってそれを舐めさせるための犬のことをいう。一種の獣姦ということになるのだろうか。
もしかしたら、この時点でこの話題を拒絶する方がいるかもしれない。
ところがバター犬にもバター犬の歴史があるのであって、それを話していきたい。
バター犬の歴史が一体、どのあたりまでさかのぼれるのか分からないが、大きく発展したのは中国だろう。
そもそも犬というのは、もっとも古くから家畜化(イエイヌ)されてきた動物で、もともと野生としてあった犬を何度も品種改良することによって、それぞれの用途に発展させてきた。
現在、国際的な機関によって331犬種が公認されているが、番犬、牧羊犬、狩猟犬、そして愛玩用に作られた犬などがいる。
狩猟犬一つとっても、獲物探索に秀でて視覚で追っていくタイプと、嗅覚で追っていくタイプ、それから撃ちとった獲物の捕獲に適したタイプなどがある。スヌーピーのモデルで有名なビーグル犬は、嗅覚で獲物を追うタイプの狩猟犬だ。
その中で、人間の性玩具、時にパートナーとして、女性の陰部を舐めるのに最適な犬も改良されてきただろう。冗談ではなく、人間と犬との関係にはそれほど深い歴史がある。
一説には狆(ちん)が、そうだと言われる。
狆の祖先はチベット原産だと言われるが、それがやがて中国、朝鮮を通って日本に入ってきた。よく神社の入り口に飾られている「狛犬」は正確には「高麗(コマ=高句麗、かつて朝鮮にあった国)犬」であり、朝鮮から持ち込まれた犬のことをいう。狛犬の形というのは狆とよく似ているから、もしかしたら同じような種類の犬だったのかもしれない。
狆という犬は、鼻が低く、毛足が長く、しかもその毛が絹糸のようで、小型犬特有の器用な舌先と滑らかさを持っているとされる。ちょうど女性の股に立った時、鼻が当たらず、毛足が心地よく、舌の感じが気持ちいい。
また、その容姿が気品にあふれるため、狆は歴代中国の皇帝が住む宮廷においてかわいがられていたという。宮廷内には後宮と呼ばれる日本でいうところの大奥があるが、ここで数百人から4000人にも及ぶ女性が生活していた。これらの女性は全て皇帝の妻だが、彼女たちに愛玩用としてかわいがられていた犬が狆だという。
彼女たちは、すべて対等な立場にあるわけでなく、正室に始まり、夫人、濱、世婦と続く位がある。中には一生皇帝と寝添うことのない女性がいたようだから、あるいはその癒しとして、狆は可愛がられていたかもしれない。
また、この犬は古来、日本へも献上され、江戸期の大奥でも愛玩されている。犬公方と呼ばれた徳川綱吉の時代には特にかわいがられていたようだ。江戸城内では座敷犬として飼われ、それを倣ってか、吉原の遊女にも大人気だったという。
今では、純粋な日本犬として認知されているが、ペット用の犬種としての人気は低く、あまり見かけない。
ざっと狆の歴史を流したが、そのすべてが同様の犬だったわけではなく、現在に至るまで改良は続けられているだろう。どこでどういった意図を持って、その犬が改良されてきたか。例えば、ダックスフントの足が短く、胴が長いのは、穴にもぐって猟をするためで、そのために改良されてきた歴史がある。狆は愛玩用、おもに抱き犬としての改良を受けてきた。その中にバター犬としての素質を磨いていたとしても、不思議なことではない。性格的には、大人しく、人間に従順であるとされる。
では翻って、現代のバター犬事情はどうかというと、あまり表ざたにならないので、体験者本人が語らぬ限り闇の中だが、動物愛護団体などはそれ目的で犬を飼育することは動物虐待に当たるとして、明確に非難している。
犬が主人に尽くす、という点では他の犬(番犬など)と同様、その趣旨にあまり大差はないような気がするが、どうだろうか。世間的な目を抜きにした時、その関係は存外、良好なような気もする。
話は最初に戻るが、そのバター犬という単語を職場で一つの笑いの種とすることが僕にとって意外であったし、面白いと思った。だって、エロと死は、生の根源なのだから。
それから、関係あるようで関係ない話だけど、元スーパーバタードッグのハナレグミ永積タカシさんがぼくは好きです。

狆
(狆・・・画像は犬図鑑より拝借)


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