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20100825

阿呆の武有無

【カテゴリ:阿呆】

ラー油が流行っているんだよ。いや、もう終わりかけなんだろうけど、僕が住む田舎町のスーパーでも入荷してすぐ品切れになるんだ。ラー油がさ。なんでラー油が流行るんだ?もう、ホント疑問だよ。なんでラー油なのさ。ラー油が流行って、じゃあ、次に何が流行るの?ちょっと考えてみようじゃないか、ベイビー。
一頃前に納豆が流行ったんだよ。あん時もなんで納豆なのかさっぱりわかんなかったけど、まあ、テレビの説明じゃ「あるある大事典」ってテレビ番組だってことだった。だけど、ここでよく考えてほしいのは、あるある大事典が納豆を流行らせたわけじゃないってことだ。
「何を言ってるんだ。あれはあるある大事典が納豆にダイエット効果があるとエセの情報を流したから流行ったんじゃないか」と仰る御仁もあるだろう。ところが違うんだ。ダイエット効果だとかなんだとかってのは、別に納豆に限った話ではなく、例えばそれこそ、ラー油だって良かったはずなんだ。ラー油にはカプサイシンによるダイエット効果があるからね。それにあるある大事典がそれまでに放送した全てのものがあれほどブームになったわけじゃない。それまでだって、あるあるより影響力のでかかったみのもんたの番組でキュウリだ、トマトだ、モロヘイヤだ、醤油だ、ところてんだ、こうゆうものがダイエットや健康に効果があるんだみたいなことを延々と話し、ある商品を番組で放送した日は、スーパーからその商品が消えるなんてことをよく聞いたものだけど、どれも納豆ほどのブームにはならなかった。
何故、納豆なのか?ってことが、すっごく重要なんだよ。わかってもらえるだろうか、ベイビー。あれは、納豆じゃなければいけなかったんだ。納豆だからこそ流行った。他のダイエット効果のある食品ではダメだったんだ。きっと、国民の心の奥深くに何か特殊なポイントがあって、それが偶然あるあるによる「納豆+ダイエット+何か」というキーワードで引っかかったのだろう。その国民の心の奥深くにある何か、潜在的な何か、希求か、興味か、それを見極める。ブームの仕掛け人の力量もここに問われるものが大きいわけで、ここに僕は、ブームの難しさを感じる。
だからこそ、この異常な納豆ブームのことを僕は記念碑的に納豆事件と銘打って、自分の心にとどめていたのだけど、きたよ、これだ、ラー油だよ。あいつ、やりやがった。あの卓上の脇役がやってくれやがった。僕はホンット納豆事件を彷彿としたんだ。国民の誰が、ラー油をおかずにして白飯を食べたいと思っただろうか。ラー油が来るとは思わなかった。すげーぜ、桃屋。桃屋ってのもポイントだったろうね。とにかくこれは、自分の中ですでにラー油事件と銘打たれた。この、それまで普通に家庭にあったものが視点を変えることで爆発的にヒットする、というブームの在り方は、まだ新しいものだろう。とりあえずは、考え方のベースをここにおいて、進めていこうじゃないか。アーユーオーケーですか?
納豆、ラー油と似たようなことに、過去、マヨネーズブームというものがあった。これは90年代のことだったが、当時、世の中に偏食傾向が叫ばれること久しく、マヨラーと呼ばれる若者を中心とした都市型生活者の集団が、ご飯にも納豆にも刺身にもケーキにもマヨネーズをかけて食べるという、ある種、世紀末的な、いや実際に世紀末だったのだけど、暴徒と化して、バッグにキューピーマヨネーズを仕込んで会社に出勤する者、学校に登校する者、自宅に調味料がマヨネーズ1本だけという、ブームなのか陰惨なのか一見判断がつかぬ状態の生活にある者と、そんな風潮が世の中にはびこったことがあった。僕もカレーにマヨネーズをかけて食べた。あれはうまい。しかし、そんな状態にあっても、このマヨネーズという食品は本当にブームだったかどうかと言うと、疑わしい。それは、上記したようなある一部の若者たちの文化だったからであり、はっきり言って、年寄りにマヨラーはいなかったのである。
しかし、この辺り、この時期に分岐して昨今のブームの傾向があるような気がしてならない。マヨラーは社会に受け入れられなかったが、それから10数年たった今、ラーラーは社会に受け入れられているのである。ラーラ―って、別に歌を歌っているのではない。紛れもない、ラー油を何でもかんでもおかずにして、食べている人のことである。先日など、スーパーでラー油肉まんなんて商品まで発売されていて僕は驚いた。これが、当時マヨネーズ肉まんなんて無かっただろうことがいい例である。僕の記憶では、マヨネーズブームは社会に完全には受け入れられていなかった。しかし。どお、どお。現代なら、「おかずマヨ」が出ても不思議じゃない。この現代感覚の推移!!!さりこそ、ブームは難しい。
ヒントは偏食なのだろうか。そういえば、最近偏食を声高に叫ぶ人が減ったけど、これは偏食が当然化してきたということなんだろうか。ここらにもミソがあるような気がするが、まあ、具体的にブームしそうな商品をあげてみよう。
・海苔
・ソース
・ちくわ
・塩・・・と思ったけど、塩ブームはすでに起きていた。
・りんご飴
・行田のフライ
・だんご・・・は団子三兄弟によって可能性は消されているが、もうそろそろアリか。
・デザートブームの再来もある。ティラミス、ナタデココ、パンナコッタ、タピオカからの巻き返し要注意。なんだか競馬新聞っぽくなってきたな。
・恵方巻き的イベント商品も注意せよ。新参商品が「ずっと前からありますが」的顔をする宣伝はここ最近の流行だ。
・せんべいのような硬い食感のものは流行らない。現代人の骨格は、年々、顎が小さくなっており、これからの食物は段々柔らかくなる傾向にあるからだ。これはまた、こんにゃく畑のヒットの一要因だろう。
・同時に味覚がマヒしている人が増えているという。すなわち、今後の流行は、味の強いもの、刺激物、例えれば、まさにラー油のようなものが流行るだろう。企業もそれを意識して商品開発を行っているはずだ。
食べ物以外でも、エリマキトカゲ→ウ―パールーパー→インコ→アメリカンショートヘアー→熱帯魚→チワワといったぺットブームの流れはどこへ向かうのか。
家電の流行は?住まいのブームは?いやはや、尽きないな。なんか話が広がりすぎて、収拾もつきそうにないけど、とりあえず、ラー油うまかった。

ラー油

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